マインドフルネス瞑想について(前編)
マインドフルネス,恐らく1度は聞いたことがあるでしょう。現在ではGoogleやFacebookなどの大企業が採用したり,うつ病の心理療法として用いられるなど,マインドフルネス瞑想がより一般的になってきたのではないでしょうか。
今回はマインドフルネスの意味や、その本質について説明していこうと思います。次回はマインドフルネス瞑想の効果やその実践などについて説明しようと思います。
マインドフルネス瞑想の意味は,学者の定義では「今この瞬間,何かの対象に対して善悪の判断をせずに,意識せずに注意を向ける」です。私たちは日常で何かに意識を向けた時無意識に善し悪しの判断をしますが,それをせずにただじっと集中させるということです。ポイントとしては①過去や未来に意識を向けずにたった今この瞬間に意識を向け,集中すること。②善悪や好き嫌いの判断をせずにただ純粋に集中すること。です。
マインドフルネスを日本語に訳すとおよそ「気づき」などとされることが多いですが,これには悪い点があります。be mindful ofで「〜を注意している,〜を忘れないでおく」という意味ですからマインドフルネスには「気づいていること」の他に「〜に注意していること」という意味があるのでマインドフルネスには「気づき」以上の意味があります。
マインドフルネス瞑想の本質について説明します。先ほどと繰り返しになりますが,マインドフルネス瞑想は「対象に善し悪しの判断をしない」ということが重要です。瞑想をしていて雑念が出てきた時に,それが悪いものであると認識せず,かと言ってその雑念を追ったりすることもせず,ただそれを客観的に見つめる。それが重要です。マインドフルネス瞑想では,自分の思考や感情に距離を置き,客観的に見つめ,そしてその客観的に見ている自分(メタ自分)を本来の自分としています。つまり,マインドフルネス瞑想の本質は「自分の思考や感情は自分の本質ではない」ということです。
ではなぜマインドフルネス瞑想が心理療法に用いられるのでしょうか。最もな理由としては,「マイナスな思考や感情が出てきた時に,その打撃を直接受けない」からです。普通の人は自分の思考や感情が自分の本質だと認識しているので,マイナスの思考や感情が出てきた時にそれに没入し,その100パーセントを受け止めるしかありません。しかしマインドフルネス瞑想では自分を客観的に見る自分に本質があるというわけですから,直撃を避けることができます。
ここでマインドフルネス瞑想の考え方は仏教やヨーガとよく似ていることに気づきます。そもそもマインドフルネス瞑想は禅の教えから来ているのですから仏教やヨーガの考え方に近いのは納得いく話ですね。
仏教においては心は無我,つまり心は自分の本質ではなく本来の自分など存在しない としております。 一方,ヨーガでは自分を超越し,自分を客観的に認知する(メタ認知)自分が真我であって心は真我ではないという考え方です。仏教とヨーガで一見対立しているように見えますが,心は自分の本質ではない という見解に関しては双方一致しています。ちなみに釈迦は真我について否定も肯定もしていません。
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