『迷路』
私が小学生だった頃,友達数人と迷路の正解を誰が先に見つけれるかという競走が流行っていました。
私も皆と一緒になって考えてたんですけどある日,「入口から考えるより出口から辿っていった方が早く正解を導きだせる」ということに気づいて,それからは完全に私の一人勝ち状態でした。
私の一人勝ちが続き,皆も飽きてきた頃に友達の1人が「なぜそんなに早く正解できるの?」と聞いてきたので先程の必勝法を教えたところ瞬く間に広まり,「お前がやっているのはインチキだ」,「それは不公平では無い」といった批判が殺到しました。私は「早く正解を見つけれるかが勝負であって,どうやって見つけるかは問題ではない。」と主張しましたが彼らにはそれが通じず,ついには担任の先生にまで叱られてしまいました。
あの時の私のやり方は果たしてインチキだったのかそれとも正しかったのか,昔の記憶を思い出す度に思考の迷路にさまよってしまうのです………